営業部 FC・店舗開発課
井原 義人
Ihara Yoshito
同志社大学 社会学部卒業。学生時代から長期インターンシップ生として参画。
在学期間中に店舗開発責任者となり、現在に至るまで約300店舗の出店に携わる。
入社1年目からFC加盟開発担当を担い、 現在はFC・店舗開発課リーダーとしてチームを指揮する。

トランクルームを開業するにあたって 、事業全体の需要を把握することは何よりも重要。今回の記事では、世界におけるトランクルーム業界の需要について、さらに開業に必要な初期費用や知っておくべき知識など、開業までのステップまで詳しく説明していきます。

トランクルーム業界の需要は先進国諸国で3〜5%

トランクルームの世帯普及率は、最もポピュラーなアメリカで10%、それ以外の先進国諸国では3〜5%ほどとなっています。

日本でのトランクルーム普及率はアメリカにはまだまだ及びませんが、年々需要が伸びている業界です。

日本でのトランクルームの供給部屋数は、1都3県で例を挙げると、総世帯数16,260,000世帯のうち、トランクルーム供給部屋数は306,196部屋となっています。この場合の部屋数は稼働数ではなく、供給部屋数となっています。(※2019年時点のデータに基づく)

さらに、今後のトランクルームの需要は、3%想定時では487,800世帯、5%想定時では813,000世帯の利用まで広がると予測されています。

そのため、現在のトランクルーム供給部屋数から逆算すると、3%想定時には181,604部屋、5%想定時には506,804 部屋の供給が不足する状況になるのです。

現在、大型のトランクルーム店舗を供給している事業者もありますが、多くのトランクルームは1拠点につき100部屋程度の部屋数が一般的です。

すると、今後トランクルームの需要が高まった際、拠点数に換算すると

● 3%想定時であれば、1,816 店舗

●  5%想定時であれば、5,068 店舗

ほどのトランクルーム店舗が不足する状況になることが予想されています。

解説のポイント
年々需要が伸びているトランクルーム業界では、将来の需要拡大時のために供給が不足する前から準備しておくことが重要です。現段階でトランクルーム事業の準備を始めておけば、今後スムーズに需要獲得が見込めるといえるでしょう。

トランクルームを開業するメリットとは?

トランクルーム業界は今後、拡大することが予想されている市場で、アパートやマンション経営などの不動産投資に比べても、初期費用を抑えて開業することができるため、資産運用として選択する方が増えています。

ほかにも、トランクルーム経営では以下のようなメリットがあります。

● 安定的に経営できる
● 高利回り
● 節税できる
● 手離れしやすい
● 資産価値が減価しづらい
● 追加投資がかかりづらい
● 分散投資ができる
● 解約が出づらい

なかでも、トランクルーム市場はまだまだ拡大が予想されているため、売却を検討する際に手離れしやすいのが特徴です。とくに、トランクルーム経営をフランチャイズ展開する「収納ピット」では、直営店で買取を行う場合ROI25%以上で売却することも可能になります。

トランクルームを開業するには

トランクルームを開業する場合、主な運営方式は「フランチャイズ方式」と「事業用定期借地方式」があります。

フランチャイズ方式では、トランクルームの事業者及び所有者となります。収入は原則トランクルームの稼働状況によって変動します。

またフランチャイズ本部によっては「サブリース制」を導入している会社もあり、その場合は稼働状況に左右されず賃貸収入(サブリース料)を得ることが可能です。

一方、事業用定期借地方式では、トランクルーム事業者に物件を貸すだけの方式なので稼働状況に関わらず、安定して賃貸収入を得ることができます。

トランクルームを開業するためのステップと初期費用

トランクルームを実際に開業するためには、どのようなステップを踏む必要があるのでしょうか?また、開業にかかる初期費用を説明します。

トランクルーム開業に必要な手続きは運営方式により異なる

運営方式 必要な手続き
フランチャイズ方式 トランクルーム事業者と加盟契約と売買契約などを締結
事業用定期借地方式 トランクルーム事業者と賃貸借契約書を締結
サブリース方式 トランクルーム事業者と加盟契約、売買契約
さらにサブリース(賃料保証)契約を締結

このように、自分がどのような運営方式でトランクルームを開業するかによって必要な手続きが異なります。

そのため、どのような方式で運営していくのか、また、必要な手続きはどんなものがあるのかなどを事前に確認しておくとよいでしょう。

フランチャイズの場合まず加盟契約から始める

トランクルームを開業する最もポピュラーなフランチャイズ方式では、開業までに上記図のようなステップが必要です。

まずフランチャイズ本部と加盟契約を締結し、経営可能な物件情報を待ちます。その後出てきた物件情報と事業計画書をベースに出店するかどうかの意思決定を行います。

その後売買契約の締結を行い、約2ヶ月後にトランクルームを開業できるようになります。

トランクルーム開業の初期費用はそれぞれの運営方式で異なる

初期費用詳細内容 業務委託の場合 個人運営の場合 リースバックの場合
加盟金 180万円 ー 180万円
パーテーション設備 270万円 270万円 270万円
その他設備費用
(決済金)
350万円 350万円 350万円
物件取得費用 ー ー 100万円
合計金額目安 約900万円〜 約620万円〜 約900万円〜

トランクルーム開業にかかる初期費用はそれぞれの運営方式で異なります。

ランニングコストと管理コストも運営方式により異なる

ランニングコストの詳細内容 業務委託の場合 個人運営の場合 リースバックの場合
賃借料 20万円 ー 20万円
電気代 0.4万円 0.4万円 0.4万円
固定ロイヤルティ 1.5万円 ー 1.5万円
変動成果報酬 売上に対して10%
+4ヶ月継続成果報酬
ー ー
合計 約25万円 約0.4万円 約25万円

トランクルーム経営にかかるランニングコストと管理コストについても運営方式により異なります。

そのため、初期費用をはじめ、開業後にかかるランニングコストや管理コストを事前に全て考慮した上で、トランクルームの開業を検討するのがよいでしょう。

屋内型か屋外型でも開業費用が異なる

トランクルームの店舗形態は、「屋内型」と「屋外型」の2種類に大きく分けられます。この「屋内型」「屋外型」の違いをご説明します。

屋内型トランクルームは開業費用が抑えられ、セキュリティ面が充実

屋内型には「新築方式」と「既設方式」があります。新築方式では、屋外型のコンテナトランクルームと同様に不動産扱いとなるため、開業費用が高額になってしまいます。

一方、既設方式では既にある空きテナントを改装して出店する方法です。開業するにあたり、床や壁、天井の補修とパーテーションの設置のみで済むため、開業費用を新築方式よりも抑えることができます。

屋内型のトランクルームは、屋外型のコンテナトランクルームと比べると大型荷物の収納には適していませんが、セキュリティ面が充実していたり、照明があるため夜間でも快適に荷物を出し入れできるところがメリットです。

屋外型トランクルームは開業費用が高額で申請が必要

屋外型トランクルームは、いわゆるコンテナのことを指します。このコンテナは、昨今不動産として出店する必要があるため、建築確認申請の提出が必要です。

また、基礎工事などが必要になるため、開業費用が屋内型トランクルームと比べると高額になってしまいます。

しかし、屋外型トランクルームでは、敷地内に直接車を乗り入れることができ、そのまま収納したい物を出し入れすることが可能なので、工具や大きな荷物な収納に適していると言えるでしょう。

トランクルームを開業する場合のデメリットとリスク

トランクルーム経営はメリットが多い点が魅力ですが、もちろんデメリットやリスクなどがあることも事前に頭に入れておきましょう。

トランクルーム経営は資金がタイトだと我慢が必要

開業する際のデメリットとしては、初年度に稼働するまでの運転資金が発生することが挙げられます。これはつまり、毎月掛かるランニングコストに売上が到達するまで持ち出し費用が掛かることを指します。

節税対策として損金算入で落とすことができますが、資金がタイトな投資家は我慢が必要です。

想定通り稼働率が上がらないリスクもある

トランクルーム経営での主な失敗例としては、想定よりも実際の稼働が上昇せず、事業計画から乖離してしまうことが挙げられます。

しかし、稼働が思うように上がらない際にはキャンペーンやWEBマーケティングなどでカバーすることが可能です。

解説のポイント
稼働が想定通りいかない場合には、トランクルーム本部としっかり相談しましょう。
なぜ稼働が上昇しないのか?どうすれば稼働が上昇するようになるのか?を分析し、事業計画を修正することが大切です。

トランクルーム開業する際に知っておくと良い知識

トランクルームを開業する際には、以下のような知識を前もって理解しておくことがおすすめです。

マーケット

● 立地
建物そのものの評価
● 商圏
ターゲットエリアの評価
● 競合
他社の評価

これらの3点をもとに、トランクルームを出店するかどうかの意思決定していくため、それぞれの最低限の知識を入れておくことが重要です。

ファイナンス

借入を前提としてトランクルームを開業する場合、ファイナンス知識を持っていた方がスムーズに融資手続きを受けることができます。

法務面

トランクルーム開業・運営においては、フランチャイズ加盟店やトランクルーム利用者、物件所有者など、さまざまな相手と契約を締結する必要があります。

その際に法務知識がないまま契約に挑むと、後々損をしたり不利になったりする発生してしまう場合があります。そのため、最低限の民法や借地借家法などの法務知識を頭に入れておくのがよいでしょう。

PL・BS・CF

トランクルーム運営の事業計画書を確認する際に、物件が儲かっているのか?儲かっていないのか?を判断する為に必要な知識です。

税務面

損金や減価償却など、節税に繋がる内容があるため、最低限の税務知識があればよいでしょう。